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公職選挙法をわかりやすく解説!選挙のルールを知ろう

選挙への出馬を検討する時、どうしても避けて通れないのは公職選挙法。選挙の仕組みそのものを定めた法律です。
公職選挙法の条文は270以上からなり、これを全て読んで理解するのはなかなか難しいでしょう。とは言え、選挙に立候補するからにはしっかり理解しておきたいものです。
今回はそんな公職選挙法について、どのようなことが書かれているのかについて、簡単にまとめてみましたので、ぜひ少しずつでも理解して行ってください。

●公職選挙法の概略

公職選挙法(こうしょくせんきょほう)とは、国会議員や地方公共団体の首長・議員を選ぶための公職選挙についての法律で、選挙の制度自体と立候補や選挙運動に関して定めています。

この法律は1950年(昭和25年)に制定されたもので、その後現在までに100回以上も改正されています。

その目的は、日本国憲法の精神に則り選挙人の自由意志によって、公明かつ適性に国会議員や地方公共団体の首長・議員を選出するための制度を定め、民主主義政治が健全に発達していくように期すること、です。

日本は民主主義の法治国家ですが、その根幹を成すのがこの公職選挙法と言っても過言ではありません。

●公職選挙法で決められていること

公職選挙法で決められていることはたくさんあります。それぞれどの様な事柄について決められているのか、簡単に見て行きましょう。

▼適用される範囲

まずはこの法律が適用される範囲について、衆議院議員、参議院議員、地方公共団体(都道府県や市区町村)の議員と首長(知事・市長など)の選挙と定められています。

基本的なことではありますが、会社の理事や学校の生徒会長、PTAや町内会の会長などの選挙は、ここには含まれません。

▼議員の定数

その選挙で何人の人が当選できるのか、議員の定数についてもこの法律で決められています。(地方議員の定数は地方自治法で決められます)

議員の数は人口の増減によって決まって来ますので、一票の格差が大きくならないよう度々調整されています。都市部への人口の集中、全国的な人口の減少傾向などで今後も調整が行われることが予想されますので、出馬前に定数は必ず確認するようにしましょう。

▼選挙事務の管理者

公職選挙法が適用される選挙の選挙事務は、各選挙管理委員会が管理すること、と決められています。公職選挙法の中では、この選挙管理委員の選び方をなるべく公平にすることや、その業務についても細かく定められています。

衆議院選挙の比例代表、参議院選挙の比例代表や最高裁判所裁判官国民審査は中央選挙管理委員会、衆議院選挙や参議院選挙の小選挙区・選挙区、知事選などは都道府県選挙管理委員会、市区町村長選・議員選は市区町村選挙管理委員会が管理業務を行います。

▼選挙権、被選挙権

衆議院選挙、参議院選挙、各地方公共団体の首長・議員の選挙の、選挙権や被選挙権について定めているのもこの法律です。

2016年6月に施行された選挙権の18歳以上への引き下げ(18歳選挙権)も公職選挙法を改正することによって実現したものです。

▼選挙の方法

選挙の方法について決めた部分です。選挙区の決め方や日程、投票の方法や開票の行い方などについて決められています。公正な選挙が行われるように、期日前投票や不在者投票、身体の不自由な人のための郵便による投票の方法などもこの中で記載されています。

現在のところ、インターネットを使った投票は出来ませんが、将来これらの条文が改正され、インターネットを使った投票が解禁されることになるかも知れません。そのためには公正な制度を保ちながら様々な課題を解消する必要があります。

▼選挙運動

公職選挙法の中心とも言える部分です。特定の候補者への投票を促す「選挙運動」について、非常に細かく決められています。

配布できるポスターの枚数や、選挙カーに乗ることが出来る人数・時間帯、選挙運動が出来る時期、ハガキや新聞広告を使った選挙運動、政見放送などなど「出来ること」「やってはいけないこと」が書かれています。

これらは候補者の資金力によって選挙活動に差がつかないように極力配慮する内容となっています。お金持ちが有利な選挙では公平とは言えませんからね。

▼ネット選挙

2013年、公職選挙法が改正されてインターネットを使った選挙運動について明記されました。これにより有権者や候補者、政党などがインターネットを利用して選挙運動をすることが一部可能になっています。

具体的にはウェブサイトや電子メール、ウェブログ(ブログ)、FacebookやTwitterなどのソーシャネルネットワークサービス(SNS)、YouTubeなどの動画配信サイトを使って選挙運動をすることが可能になりました。

これらは無条件に利用できるわけではなく、いろいろな制限事項がありますので、他の選挙運動と同じく利用する際には細心の注意を払う必要があります。

またインターネットを利用した選挙運動に関する禁止事項として、ウェブサイトや電子メールを印刷して配布することや、虚偽情報の公開、サイトの改竄などが挙げられており、処罰の対象となっています。

▼そのほか記載されている条文

公職選挙法にはこれまで挙げたもの以外にも、選挙費用に関する条文や政党について、選挙に関わる訴訟についてや、選挙運動に関する罰則についても記載されています。

特に罰則規定については非常に多岐にわたって厳しい処分が科せられていますので、違反することがないよう重々注意しなければなりません。知らなかった、では済まされないのです。

また罰則で特徴的なのは、議員(候補者)本人ではなく、秘書や家族が罪を犯した場合でも、議員(候補者)本人が罪となる連座制があることです。議員(候補者)がそれを知っていたかどうかに関わらず罪となるため、周囲の人々も違反しないよう注意する必要があります。

もし罪を犯した場合は、当選が無効となるだけでなく、その後五年間(罪によっては十年間)、その選挙区での選挙に出馬できなくなってしまいます。

●公職選挙法と政治資金規正法

公職選挙法で重要視されているのは、上でも述べていますが、公明かつ適性な選挙が、公平な選挙運動のもと、公正な投票により行われることです。

公平な選挙運動で大切なのは政党や候補者の資金力の多寡によって選挙が有利や不利にならないようにすること。そこで公職選挙法と共に重要になってくるのが政治資金規正法です。

政治資金規正法は、政治活動の中でも特に政治資金についての法律で、政治資金の収支を公開させて政治資金の授受の規制などを行って、政治活動の公明と公正を確保することによって、民主政治の健全な発達に寄与することを目的としています。

この法律は政党などの団体や公職の候補者に適用されますので、これらの選挙に出馬する際には非常に重要なものになります。

政治資金の収支の公開以外のところでは、外国人からの寄付の禁止も挙げられます。以前には日本に在留する外国人からの献金を受けたと言う事で、外務大臣が辞任する騒ぎも起きていますので、注意が必要です。

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公職選挙法について簡単に触れて来ましたが、いかがでしたか。

始めに述べた通り、この法律は今までに100回以上も改正されており、今後も改正され続けると考えられます。条文を良く読んでおくことは必要ですが、きちんと理解するのはなかなか難しい部分も多いでしょう。

もし生半可な知識で行動して、公職選挙法や政治資金規正法に違反してしまうと、最悪の場合はその後何年間も立候補すら出来ない事態に陥ってしまう危険性があります。信頼出来る専門家に相談出来る体制作りも重要です。

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